江別小麦の取り組み

地域とともに

江別産小麦ハルユタカを使った
新しい麺の開発を

菊水では、全国各地に自社商品をお届けするマクロスケールな事業を展開する一方、北海道に根づき、地域の活性化の一助となるプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。その一つが地元江別市で栽培された強力小麦ハルユタカを使った商品開発です。この江別小麦めんに関わる動きは、江別の貴重な資源を有効活用しようと立ち上がった「江別経済ネットワーク」の活動に端を発します。さまざまな分野で活躍する異業種交流グループとして開催した1回目のミーティングで、弊社代表の杉野や他のメンバーがハルユタカを利用した「江別の麺の事業化」を提案し、江別小麦めんの商品化構想がスタート。マスコミからの取材やイベントの開催、加えて小麦農家や専門の研究機関が江別経済ネットワークに参画したことで、さらなる事業へと加速しました。

2004年、前年に収穫したハルユタカを用いた江別小麦めんが江別市内の飲食店に登場。同時に消費者からの要望も高まることで関連商品が続々と開発され、市販の道へとつながっています。

地域連携の一貫したモノづくり

江別小麦めんのプロジェクトは、小麦の栽培から製粉、菊水による製麺までオール江別という点にこだわる一方で、子どもたちの学習に役立てるなど、江別市全体で取り組んだことが最大の特徴です。その結果、生産者から消費者の間に存在する異業種同士の距離を大幅に縮め、連携したモノづくりのシステムを確立することができました。販売実績も初年度で104万食。3年目には260万食を超え、最初の3年間だけでも28億円にもおよぶ経済波及効果をもたらしました。また、麺をベースに洋風、和風、中華など、さまざまなジャンルに用いられ、市内20軒100種のメニューが考案されるに至ります。いわゆるご当地ラーメン等とは異なる、江別小麦めんの魅力がここにあると言えるでしょう。これらのオリジナル麺は江別市内でしか食べることができないため、それぞれのメニューを目当てに街を訪れる人が増加するなど、新しい効果も生まれています。麺を製造する企業から、麺を通して街や人と連携していく企業へ。地域の明日を見すえた菊水の取り組みは、これからも続きます。

ハルユタカについて

北見農業試験場で産声をあげたハルユタカ。1985年に誕生して以来、30年以上に亘って作り続けられている希少な小麦です。道産小麦のほとんどが、輸入小麦の増量用として使われていましたが、ハルユタカの粉にしたときの粘りとコシの強さが、パンに適することやモチモチとした食感のおいしい麺になることがわかり、たちまち注目の小麦へと成長しました。雨に弱く収量が安定しないため、現在では一部の農家での生産にとどまっていますが、今も人気の高い品種の道産小麦です。

江別市の小麦生産者の努力

江別市では、かたおか農園さんが農業普及指導員と相談し、根雪となる直前に種を蒔く「初冬蒔き栽培」に取り組みました。雪解けを待つ春蒔きに比べ、発芽の時期が早まるため、雨の影響を受けにくいうちに収穫期を迎えることができるのです。このおかげで、1992年には前年の3倍近い収量と品質の向上を実現。その後、江別麦の会が発足し、この初冬蒔き栽培が江別市の小麦農家全戸へと広がることで、「麦の里えべつ」と呼ばれる由縁となりました

えべチュンとのコラボで地域貢献

江別観光協会ゆる認定キャラクター、えべチュン。菊水では、この「えべチュン」をラーメンのパッケージに起用するためのデザインコンテストを開催し、商品化しました。応募総数160点のなかから選ばれた最優秀デザインの、えべチュンら〜めん。江別市を中心に販売され、イベントなどでも人気を博しています。さらに、えべチュンとのコラボで社会奉仕にも積極的に取り組み、子どもから高齢者まで、皆さんが喜ぶ催しを行っています。最近では、地元の小学生から募集した安全運転や詐欺への注意喚起の標語をパッケージに掲載するなど、地域安全の呼びかけにも協力しています。